貧困な住宅状況に関しても研究の関心が強かった

由井(1986,1991b)では,広島市と福岡
市を事例として公営住宅との居住者の比較を行いながら,民間マンション居住
者の年齢別人口構成の変化や世帯人員構成などについて明らかにした。しかし
倉沢(1990)のようにマンション居住者の生活実態を地理学的に扱う試みはあ
まりなされていない。

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また賃貸アパートを中心とした賃貸住宅市場に関しては,長谷川(1967)に
よる仙台市での研究事例があるが,資料的制約も大きくあまり活発に研究され
てこなかった。インナーシティ問題と関連して木造賃貸アパートの密集した地
域の問題性を追求した高山(1982)や近代化過程におけるインナーシティの形
成と発展を詳細に検討した水内(1982)などは,その居住水準の問題性を指摘
するとともに,産業構造との関連でインナーシティ居住者の居住特性と住宅の
関係について分析している。

2.インナーシティ問題に関する研究
これまで整理してきたように,従来,地理学の分野におけるハウジング研究
は,都市における市街地の拡大との関連から述べられる都市化研究や,あるい
は都市の内部構造理論との関連における住宅地域研究も多かったが,一方で都
市内部地域における貧困な住宅状況に関しても研究の関心が強かった(Davidson;
1976)。郊外化と中心市の衰退は表裏一帯のものであり(成田;1977),
中心市の中でもとくに問題が深刻なのはインナーシティである。成田(1979)
はインナーエリアが中産階級によって魅力のない場所となり,貧困者,老人,
マイノリティ・グループが取り残され,職場がなく,福祉・教育などの公共
サービスの国家経営を飲み込んでいることを指摘した。以下では都市内部地域
における住宅問題を,インナーシティ問題に関連した観点から整理をする。

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