第1次マンションブームは東京の高級住宅地に

このような中高層集合住宅の分布
に関する事例研究は,地方都市においても広がり,楊井(1975),藤田(1983

a)などがあげられる。
次に,中高層集合住宅の建設にともなう周辺地域への影響に関する研究では,
藤岡(1976)は大都市圏内の住宅都市における中高層集合住宅の立地展開を明
らかにし,日照問題などの近隣地区との対立を指摘した。また松原(1985)は,
大都市圏における民間マンションの大量な建設がなされた東京都江東区を事例
として急速なマンション開発により若年世帯の大量な転入が生じ,行政が学校
の新設などに対処する必要性に迫られた問題を指摘した。橋本(1988)は再開
発による影響を整理したなかで,「マンション型の再開発」を取り上げ,「古く
からの地域コミュニティを形成しているような所では,その地域の人間関係に
異質性が高まり,コミュニティを解体に導いていく。とくに借家・アパート居
住者の追い出しと他方でのマンション開発がすすむ場合には,いわゆるジェン
トリフィケーションがおこなわれることになる」(pp.15~16)と指摘した。

「北側」と「水回り」は気を付けましょう。←参考にここのサイトからいろいろな間取りを見てみましょう。

一方,中高層集合住宅の居住者の特性に関して,山鹿(1971)は1964年頃
の第1次マンションブームは東京の高級住宅地に多く建設され,「東京だけに
みられる特有の現象」(p.127)であったため,入居者が芸能人,大企業の経
営者,一流文化人などの高所得の限られた特殊な層であったことを指摘した。
この点に関しても,『マンション60年史』では昭和30年代後半の第1次マン
ションブーム期におけるマンション居住者について,高額所得者,特に会社社
長,弁護士,密室性の高い住居を求めた芸能人,外国人などの特定階層に限定
されていたことを紹介している。また,香川(1984,1989)は中高層住宅にお
ける居住者の属性をルームタイプとの関連から分析を試みており,居住者の移
動や永住指向を明らかにしている。

DY060_L